Opinion
成⼈のいびき・無呼吸に対して、⼿術療法が奏功するかどうかは、無呼吸の重症度、年齢、体重、⿐腔・咽頭・顔⾯⾻格の形態を診察し、総合的に判断する必要があります。また無呼吸の検査結果が、⼿術効果を予測する⼤きな判断材料になるため、いずれの⼿術を⾏う場合でも、⼿術前に簡易モニターやPSG検査で無呼吸の重症度の評価を⾏い、それに応じて⼿術適応の判断を⾏うことが必須です(無呼吸が中等症以上の場合、そもそも⼿術効果が期待できない場合が多くあり、また⼿術による無呼吸悪化などの合併症も考慮する必要があります)。
成⼈の場合、当クリニックにおかかりになる患者様で、手術の必要があると考えられる患者様は全体の10~20%程です。いびき・無呼吸の⼿術をお考えの⽅は、まずは検査による重症度評価を正しく⾏い、あらゆる⾓度から⼿術の妥当性を判断することが重要です。
Variation
左右の⿐腔を隔てる⿐の中央の仕切り板を“⿐中隔”と呼びますが、⿐中隔が元々強く弯曲していて、睡眠中の⿐呼吸の妨げになる程の⿐づまりがある場合に、⿐中隔矯正術が考慮されます。また腫脹した下⿐甲介を削り、⿐腔のスペースを広げる⼿術を下⿐甲介粘膜切除術と言います(この2つの⼿術は基本的に同時に⾏われます)。
アレルギー性⿐炎がある⽅は、投薬治療で鼻づまりが改善することがありますので、その場合は投薬治療を先⾏して⼿術判断をします。
また、CPAPやマウスピースを⾏う際も鼻づまりが治療の妨げとなることがありますので、それらの治療のための補助治療として⼿術を⾏う場合もあります。
鼻づまりの無呼吸低呼吸指数(AHI)への関与はそれほど⾼くないとの⾒解もありますが、AHIに反映されない“睡眠の質”には影響されると⾔われています。
いびき・無呼吸に対する最も⼀般的な⼿術と考えられます。ただし扁桃肥⼤がない⽅の⼿術効果は著しく低くなりますので、術前の咽頭形態の評価が重要です。その他にも無呼吸低呼吸指数(AHI)、年齢、肥満度、下顎の⼤きさなどが⼿術成績に影響します。
外来での⽇帰り⼿術として⾏う施設があります。咽頭粘膜に電気メスを刺⼊し、軟部組織を焼き固めて咽頭粘膜を縮⼩させ、いびきを軽減するという術式です。この⼿術は現時点では⼿術効果が明確になっておらず、また術後の無呼吸悪化の合併症も多く認められることから、欧⽶の学会では無呼吸の⼿術として推奨しない、という提⾔がなされています。また、中等症以上の無呼吸には奏功しないと考えられるため、術前の無呼吸評価なしでの⼿術は厳に慎むべきと考えます。
元々は、以前より⻭科で⾏われていた咬み合わせ改善の根本的な⼿術でしたが、近年、睡眠時無呼吸に対しても効果があることが分かり、無呼吸への⼿術に応⽤されるようになりました。
成功すれば⼿術で無呼吸が改善する可能性がありますが、必ずしもすべての⽅に効果があるわけではありません。また、術前に矯正治療を1年以上⾏う必要があり、さらには顔の形が変わる⼤きな⼿術となるため、⼿術適応を⼗分に判断する必要があります。
⼿術が奏功しやすいケースは、以下のような患者様と⾔われています。
MMA⼿術療法が向いている患者様
⼀般的に、⼩児のいびき・無呼吸に対して⾏われる手術です。手術には全身麻酔を伴い、1週間ほどの⼊院が必要となります。医師の診断にて無呼吸が疑われ、扁桃肥⼤を認める⼦供に適応となります。親御様から「⼿術すべきか」というご質問をよく受けますが、無呼吸が中等症以上と考えられる場合は、⼿術を⾏うメリットがデメリット(⼿術や⿇酔のリスク)を上回ると考え、⼿術をお勧めしています。
⼩児の扁桃摘出術とあわせて⾏われることの多い⼿術です。扁桃摘出術の適応となるお⼦様は、アデノイド肥⼤を併発していることが多く、⼿術のリスクも扁桃摘出術単独で⾏う場合と⼤きく変わらないため、その場合に同時⼿術をお勧めしています。
Surgical experience
◯下⿐甲介粘膜切除術 (レーザー焼灼術含む) |
232件 |
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◯⿐中隔矯正術 | 175件 |
◯⼝蓋扁桃摘出術 | 290件 |
◯アデノイド切除術 | 174件 |
◯⼝蓋垂軟⼝蓋咽頭形成術 (UPPP) |
29件 |
◯いびきの咽頭粘膜焼灼術 (LAUP) |
12件 |
当クリニックでは⼿術を実施しておりません。⼿術適応の場合、他院への紹介となります。
まずは⼿術が必要な状態かどうか、他の治療⽅法の検討も含めて適切な診断を⾏うため、
当クリニックをご利⽤下さい。
奏の杜⽿⿐咽喉科 千葉いびき・無呼吸
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