妊娠中の肥満も、睡眠時無呼吸症候群に?
暖かな春の気配を感じられる日も増えてきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は女性の中でも、ご妊娠中に睡眠時無呼吸症候群になる可能性とそのリスクについてご紹介したいと思います。

ご妊娠中は体重増加やホルモン変動が起こりやすく、それに伴い高血圧や糖尿病だけではなく、睡眠時無呼吸症候群になる可能性もあります。睡眠時無呼吸症候群の問題は脳の酸素不足が大きく、これは母体、また胎児へのリスクを伴う可能性が上がってまいります。
主に下記があげられます。
・体重増加による気道閉塞は一般的な体重増加と同じで、気道が狭くなり酸素の取り込みが難しくなる。
・妊娠中のエストロゲン増加で、鼻粘膜の主張による鼻閉が発症し、口呼吸によりいびきになる。
・妊娠中期から後期にかけて、プロゲステロン増加で呼吸器系筋肉を弛緩させ、起動が閉塞しやすくなる。
・仰向けで寝る時間が長く、咽頭の筋肉の弛緩により閉塞しやすくなる。
これらにより母体が睡眠中に低酸素状態を繰り返すことで、胎盤への血流が低下する可能性があり、また低酸素血症により胎児の成長に影響を与え、胎児発育不全(低出生体重)、早産、胎児低酸素のリスクが高まる可能性もあります。
ご自身が眠りについている時の事ですので気付きにくい症状ですが、ご妊娠前よりいびきが悪化していたり、ご家族から睡眠時の呼吸停止のご指摘をいただいたり、夜間に頻繁の覚醒する、朝に頭痛がする、日中に強い眠気に襲われるなどがあれば、一度受診もご検討ください。
どのような症状もバランスの良い食事と適度な運動はとても大切ですので、少し振り返ってみたいただいたり、産婦人科医師と相談をしながら問題なければ横向き寝を意識したり、体重管理を行ってみていただくのもいいかもしれません。

他には事前に緩和させられる可能性があるものとして、舌下免疫療法があります。
鼻閉についてはアレルギーによる症状も考えられ、もしスギ・ダニのアレルギーでしたら事前に舌下免疫療法をしておくことで、ご妊娠中の症状悪化や薬の使用量を減らせる場合があります。
3年以上継続で5年程度、5年以上継続で5-10年程度、効果が持続する可能性が高いと言われており、ご妊娠中に一度服薬を中断したとしても、治療再開時には初回より早く効果が実感いただける事も多いです。
ご妊娠中は睡眠が乱れやすい為、鼻閉を改善しておくことでいびきの減少、睡眠の質の向上、睡眠時無呼吸のリスク軽減が望まれ、あらかじめこの治療で基礎状態を改善しておくという事もできます。
3-5年継続でその後、5年程度持続する可能性から、妊娠や産後、育児中のダニや花粉シーズンの症状が緩和し過ごしやすくなる可能性もありますので、鼻症状が強いなどでお悩みの方は一度ご相談ください。
しかしながら、ご妊娠中に新規での舌下免疫療法の開始はお受けすることができませんので、もしお悩みの方はお気を付けくださいませ。
ご妊娠中の服薬制限で治療が難しい場合でも、事前の準備として耳鼻科での鼻閉治療として舌下免疫療法は可能です。またこの治療は約2割程度の方が効果を実感できない場合もありますが、8割の方が症状が緩和した、服薬が減った、飲まなくなったなどの効果を実感してる方が多いので、ご不安があったり、気になる方は一度お越しいただき、お気軽にご相談やご希望でアレルギー検査を行っていただければと思います。

