院長
日本耳科学会in朱鷺メッセ(新潟コンベンションセンター)
本日はクリニックのお休みを頂き、 日本耳科学会総会に出席して参りました。
本年度、日本における小児滲出性中耳炎の診療ガイドラインが ようやく完成し、それに関する講演がありました。
小児滲出性中耳炎のガイドラインは 欧米の先進国と比較し 日本はやや遅れて完成の運びとなりました。
他の先進国に対して遅れをとった理由として、 それらの国々では耳鼻咽喉科医は専ら手術専門の外科医として医療を行っており、 小児滲出性中耳炎の初期診療は家庭医や小児科医が担当しています。
よってそれらの国々では滲出性中耳炎の治療方針となるガイドラインは この症例は保存治療、この症例は手術と、比較的シンプルに治療方針が 決定されています。
本邦では滲出性中耳炎の初期診療を耳鼻科医自ら行い、 実は病態が複雑である滲出性中耳炎の初期治療を、 その複雑な病態ごとに耳鼻科医が対応して治療を行っているため、 治療方針をよい意味で単純化してしまうガイドラインに 乗せきれなかったという経緯がありました。
病態ごとにそれぞれの耳鼻科医の判断でこれまで診療を行ってきた 日本における小児滲出性中耳炎ですが、 今後はガイドラインができたことにより、治療方針がより標準化されることになります。
診療レベルの底上げがなされることを願います。???