急性喉頭蓋炎について
🌟概要
喉頭蓋をはじめとする喉頭組織の発赤・腫脹をきたし、重篤化すると窒息死する可能性のある危険な疾患である。
※喉頭蓋とは、呼吸をしている時には開いていて、物を飲み込む時には食べ物や飲み物が気管に入らないように気管を閉じ、食道へと誘導する役割を担っている軟骨
🌟原因
・細菌感染
・インフルエンザ菌B型(Hib) ・溶連菌 ・肺炎球菌
・魚骨など喉頭異物による外傷
・熱傷
🌟リスク因子
免疫力の低下、慢性疾患(糖尿病や自己免疫疾患)、頸部への放射線治療歴、喫煙、アルコール摂取
🌟症状
早期
発熱、咽頭痛、嚥下痛、嚥下困難
重症化すると…
含み声、呼吸困難感などの気道症状、頸部痛、吸気性喘鳴(息を吸う時にゼイゼイすること)、よだれ(唾液を飲み込むことができないため)
🌟検査
耳鼻咽喉科医はファイバースコープを用いて喉頭を直接確認することで診断する。また炎症の程度を評価するため血液検査を施行する。
🌟治療
急性喉頭蓋炎は進行すると気道狭窄による窒息の可能性があるため、症状が軽くても原則入院加療が必要になる。抗菌薬およびステロイドの点滴加療を行う。喉頭蓋が著名に腫脹している場合は、緊急気管切開術などの外科的気道確保が必要である。また、頸部造影CTで頸部に膿瘍を認める場合は、切開排膿術が必要になる。(当院の場合、気切対応できる船橋市立医療センターや千葉市立海浜病院へ紹介)
🌟伝播
細菌感染が原因の場合、飛沫感染、接触感染で広がる可能性がある。
🌟予防法
・小児の場合、生後2か月を過ぎたら速やかにインフルエンザ菌B型(Hib)ワクチン接種を開始し、計4回接種を推奨
(ワクチン導入前は3歳頃の乳幼児によく見られたが、導入後は発生率が大幅に減少している。)
・うがい手洗い ・のどの乾燥予防
・禁煙 ・逆流性食道炎の治療 ・声の出しすぎ注意