耳鼻科でよく使う処方薬と小児薬の基礎知識
耳鼻科でよく使う処方薬と小児薬の基礎知識
【耳鼻科でよく使う処方薬】
◎アレルギー性鼻炎・花粉症
抗ヒスタミン薬:
↑効果強い・眠気出やすい
強 ルパフィン2錠>アレロック>ルパフィン
中強 タリオン エバステル
中 ザイザル
中弱 ジルテック クラリチン アレジオン
弱 アレグラ<ビラノア デザレックス
↓効果マイルド・眠気出にくい
ステロイド点鼻薬:ナゾネックス アラミスト
◎副鼻腔炎・中耳炎
抗菌薬
・ペニシリン系:サワシリン クラバモックス
・セフェム系:クロモックス メイアクト
・ニューキノロン:オゼックス クラドール ラズビック ジェニナック
去痰薬:ムコダイン ムコソルバン
◎咽頭炎・扁桃炎
抗菌薬:サワシリン フロモックス
消炎酵素剤:トランサミン(府鼻腔炎 中耳炎)
解熱鎮痛剤:カロナール
◎めまい・耳鳴り
循環改善薬:イソバイト アデホスコーワ
◎小児の薬剤選択ポイント
・抗生剤:クラバモックス(アドソルビン(下痢止め)も同時処方)→メイアクト倍量→オゼックス
10ヶ月未満はワイドシリン倍量(分3)を第一選択。滲出性中耳炎の状態になったら抗生剤を一旦切るorクラリス半量。
・粉薬が基本:体重計算で容量調整しやすい
・甘味調整:シロップやドライシロップで飲みやすく
・小児用OD錠も活用:嚥下発達に応じて検討
【小児の薬剤形選択について】
①薬剤選択イメージ
年齢層 | 主な剤形 | 補足ポイント |
乳児(0~1歳 | シロップ | 飲みやすさ・用量調整しやすい |
幼児(2~5歳) | シロップ・粉 | 味や飲みやすさ重視 |
学童(6歳~) | ドライシロップ・OD錠併用可能 | OD錠 |
7歳以上 | 錠剤・OD錠 | 大人と同様の剤形に移行 |
※抗菌剤は粉しかない
②各剤形について
シロップ | 飲みやすい 味付け可能 冷蔵保存が必要な場合あり |
ドライシロップ | 水に溶かして飲む 携帯しやすい |
OD錠 | 口の中で溶ける 水がなくても服用可 味を嫌がる場合あり |
錠剤 | 飲み込み可能なら使用可 |
【小児OD錠の基礎知識】
OD錠とは?
・口腔内崩壊錠、かんで食べてもいい
・口の中でもすぐ溶ける錠剤
・水なしでも服用可能(基本は少量の水を使用推奨)
小児OD錠のメリット
・水なしでも服用可、粉薬が苦手な子、小児でも飲みやすい
・苦味を抑えた製剤が多い
・誤嚥リスクが少ない
使用時の注意点
・砕かずそのまま服用
・湿気に弱い。湿気で崩れやすくなるため、冷蔵庫には入れないでください。
・PTPシート(銀色)は飲む直前に出す。PTPシートから出しておくと、空気中の湿気で変形・崩壊することがあります。
・直射日光を避け、常温(室温)で保管。極端な高温・直射日光も避けましょう。
・小児や高齢者の誤飲を防ぐ。子供の手の届かないところに保管してください。
よくある質問
・Q:砕いてもいい?
・A:基本は砕かずそのまま服用(医師の指示があれば対応)
・Q:何歳から使える?
・A:おおよそ3~5歳頃から(個人差あり)
※薬剤は後発品を含めて大変多くの種類があります。効果の強さ/眠気の分類/味/等はある程度されていますが、実際はご本人との相性によりけりの為、もし合わない場合は他の薬を色々試してみることが大事です。