鼻血について
皆さん、こんにちは。
院長の山本です。
本日は鼻血のお話をさせて頂きます。
・鼻血の原因
アレルギー性鼻炎や鼻風邪などにより、鼻内で炎症が起きると、鼻内の血管が広がったり、血管が破けやすくなり、鼻血が起こりやすくなります。
特に子供の繰り返す鼻血の場合、その原因の80~90%はアレルギー性鼻炎といわれています。
お子様が頻回に鼻血を出す場合は、一度アレルギー性鼻炎の検査を行いましょう。
また鼻内の乾燥も出血の原因となることがあります。
大人の鼻血の場合、高血圧や抗凝固薬の内服がその原因である場合もあります。
鼻内は粘膜の中でも表面に太い血管が多い場所であり、他に明らかな原因がなくても鼻血を起こすこともよくあります。
・鼻血の出やすい場所
鼻内で出血が起こりやすい場所は、キーゼルバッハ部位といって、鼻の穴から奥に1cmほど入ったところの内側(鼻中隔)で出血が起こります。
鼻血のうち90%がキーゼルバッハ部位からの出血です。
鼻血で受診された場合、医師の診察により出血が起こった部位が確認できる場合があります。
・鼻血の検査
アレルギー性鼻炎が原因の可能性と考えられる場合は、
①アレルギー性鼻炎は悪化傾向があること
②原因対策がまず重要であること
③ダニアレルギー、スギ花粉症の場合は根本治療を行えること(舌下免疫療法)
より、アレルギー採血検査(もしくはアレルギー簡易検査のイミュノキャップラピッド)をお勧めしています。
またごくまれに白血病、血友病の症状で鼻血が認められる場合がありますが、頻度としては、鼻血の患者さんの0.01%以下と思います。
鼻血以外に青アザができやすい、歯ぐきなど鼻以外からの出血が認められる場合は、採血による精密検査を行っています。
・自宅での対処法
鼻血が出た場合はキーゼルバッハ部位からの出血と考え、小鼻をつまみ、座った姿勢でうつむき、口に回ってきた血液は入れ物などに吐き出します。
この方法で通常10分ほどで止血できます。
鼻筋を押さえてもキーゼルバッハ部位が圧迫されませんので止血になりません。
鼻にティッシュを詰める方法もありますが、奥に入り込まないように注意が必要です。
30分たっても鼻血が止まらない場合は耳鼻科を受診しましょう。
夜間に鼻血が止まならない場合は、できるだけ耳鼻科医が当直している病院にお問い合わせ下さい。
夜間に他科の医師が対応した場合、翌日の耳鼻科受診を指示されることが多くあります。
・薬での治療
鼻炎やアレルギー性鼻炎が原因の場合は、抗アレルギー薬を使うことで鼻の炎症が抑えられ、出血しにくくなります。
また、鼻粘膜の乾燥が原因の場合は、生理食塩水の点鼻薬を使ったり、ワセリンを鼻の粘膜に塗って保湿を行うことで、出血が予防されます。
・鼻粘膜焼灼術
薬を使っても鼻血が止まらない場合や、日常生活に支障をきたすほど鼻血を繰り返す場合は、鼻粘膜焼灼術といって、鼻内の血管を電気メスで焼き潰す処置を行います。
ガーゼを使って鼻の粘膜を麻酔するため、痛みはほどんど感じません。
10歳前後から施行可能です(処置中に動かずにいられる方)。
処置は麻酔を合わせて30分ほどで終了します。処置当日のみ飲酒、運動、長風呂は控えて下さい。
処置を希望される方はスタッフにお伝え下さい。
当院では鼻血の原因として多い、アレルギー性鼻炎の検査を積極的に行っています。
ご希望の方は当院へどうぞご受診ください。
またアレルギー鼻炎の根治治療となる舌下免疫療法も積極的に行っています。
(現在千葉県内で導入件数第一位です。)
導入時はお電話での予約が必要になりますので、クリニックまでご連絡ください。
奏の杜耳鼻咽喉科クリニック
電話番号:047-403-2226
(10月より水曜日の診療を開始しました。)